愛唄(銀新ver)


「なぁ、新八」
「なんですか」
いつでも、俺が呼べばあいつは嬉しそうな顔で答えてくれる。
出会ったときから、ずっとずっと・・・。

「ここも、銀さんの一人暮らしになってしまいましたね。」
「まぁ、な。いずれはこうなるだろうと思ったよ」
神楽が沖田君の所に嫁いで行ってしまった。なんとなくこうなることは
解っていたけど、それでも、寂しさが募る。
「それで、一つ提案があるんですけど・・・」
新八は、嬉しそうに恥ずかしそうに俺に言った。
「僕がここに住むって言うのはどうでしょう」
「え・・・」
若干シスコン気味のこいつがなんて事を言い出すんだと目を丸くしていたら
「近藤さんが、道場を継ぐって言うんですよ。僕は近藤さんにお願いしようかと」
それで、とあいつは話を続けた。
「そうしたら、近藤さん道場に住むって。僕はお邪魔だろうから出来れば銀さんのところに居候できればなぁ、なんて。」
「居候だなんて・・・歓迎するよ。一緒に住もう、新八」
その申し出が嬉しかった、大好きな新八と共に過ごせることが。

それから、毎日は楽しかった。
一緒に笑って、泣いて、喧嘩も何回だってして口聞かないまま何日も過ごして
でも、話し合いも何回もして、二人で日々を刻んで解りあってきた。
俺が死ななかったのは新八のお陰だし、新八も
「銀さんがいてくれなかったら僕は引きこもりになっていたかもしれないですね」
シスコンに拍車がかかって、マダオでしたよ。と笑ってた。
あの時出会った幸せの種は、思わず大きな花が咲いていた。

「新八」俺は、新八においでおいでをした。
あいつは、素直によってきた。その手は家事と修行で荒れていた。
その手を握り締めて
「ありがとう。」と、言って照れ笑いをしながら、
「これからもずっとずっと一緒に泣いたり笑ったりしたいんだ」
共に生きて共に死のう。それまでずっとずっと・・・。
そうしたら、新八は一瞬驚いた顔をして、その後、にっこり微笑んで俺の手を
俺の手に力を込めて握ってくれて
「告白もなしに、いきなりプロポーズですか?」と笑って
「僕は、ここに居候したときから、銀さんと一生を共にする覚悟ですよ」
「新八・・・。俺でいいのか。俺は・・・」
新八の覚悟ほど俺に覚悟があったのだろうか、こいつを幸せに出来るだろうか
俺は、新八といるだけで幸せだけど・・・。
急に、不安げになった俺に、新八はあいてるほうの手で俺の頬をつねって
「大丈夫ですよ。僕は銀さんがいるだけで、こうやって話すだけで幸せですから」
「なっ・・・」
「銀さんといるだけで、あなたの隣に立って居れることで僕は・・・」
最後の言葉を聞かずに、俺は強く強く新八を抱きしめた。

「・・・さん!銀さん!!」
まったく、呼んだままなにぼんやりしてるんですか、と新八は言った。
「ああ、わりィな・・・」笑わないで聞いてくれるか。と俺は言うと
「何ですか、藪から棒に」
「いや、ちょっと、お前に言ってないことがあったと思ってな」
「??なんですか」
「ああ」なんか、正面から言うのも照れるな。
「あの、な。新八」
「はい?」
「愛してるよ」


と言うことで、かなりヒットしている唄からこうなりました。
改めて歌詞を読むと、これはヒットするよね、ってくらいいい歌詞なんじゃないでしょうか。
告白よりも、プロポーズの言葉だね。
「いつも迷惑をかけてゴメンネ」と言う歌詞が、銀さんを連想させすぎて、
こうなりました。
最初に愛してるといって、笑って終わらせるか、最後まで愛してるを引っ張るかで多少悩みましたが
これでよかったかなと思います。
これから、土山・沖楽も製作する予定。
                                          20080503
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