おめでとう

その日は朝からみんなウキウキソワソワ。
私は、一人何もわからずにきょろきょろしてました。屯所が色めき立ってる。
「ツキヨミさん、おはよう」
「山崎さん、おはよう・・・。みんなどうしたの?」
「何がです?」
「なんだか、色めきたってると言うか、ソワソワしてるというか」
というと、山崎君はさらに笑顔になって、「今日はみんな楽しみにしてたから」と言って
「俺も用事があるからいきますね。あ、ツキヨミさんおめでとう」
「???」
山崎君はタカタカ走っていってしまいました。
って、いうか、今山崎君なんて言ったの『おめでとう』?!何のこと?
この間、土方さんと恋仲になったときは沖田さんが言いふらしてそんな事言われたけど、
もう、それもかなり前の話しだし、今さらだよねぇ。何だろう・・・。
「おーい、ツキヨミ」なんて考えていたら、当の本人が来ました。
「呼ばれました?副長さん」「副長は堅苦しいからよせって何度言ったらわかる」
「ごめんなさい、土方さん」そう呼ぶと照れるくせに。
「で、御用は何ですか」と聞くと、土方さんは慌てて
「マヨネーズ買ってきてくれ。ハーフとハーフ&ハーフと・・・」
どうして、マヨネーズにそこまでバリエーションが・・・、全部で8種類になった。
ややこしかったので、メモを取っていると急に頬にキスをして、
「おめでと」と耳元でささやかれました。「何がおめでとうなんです?」と真っ赤な顔で聞くと
「マヨ買ったらおしえてやるよ」と一言、渋々買い物に行くことにしました。いつもは山崎さんの仕事なのに、いいのかな。でも、何なんだろう。土方さんが絡んでるわけでもないのね。
よくわからない頭を落ち着けながらスーパーへ買出し。そのさなか万事屋の皆さんに会いました。
「ツキーーーー、おめでとアル」神楽ちゃんが私を見つけると抱きついてきました。
よく判らないといった顔をしていると、新八君が「どうしたんですか?ツキヨミさん」と察してくれました。
「何が『おめでとう』なの?私なにをしたの?」ねぇねぇと新八君に詰め寄っていると
「俺の新八を誘惑しないでくれない」と銀さんが出てきました。
「誘惑してないですから。」銀さんは新八君を自分のほうへ寄せながら
「沖田のヤローが触れ回ってたよ。本人が気付くまで内容言ったらだめだと。言ったら切腹だって」
またあんの人はも〜いつもいつもそうやって嫌がらせを〜。
大きな溜息をつくと、新八君が「し、しかしすごいマヨですね。」
「う、うん。土方さんが、ね。」
「おめーの彼氏は悪玉菌にやられるぞ!!」
ぎ、銀さん・・・、あたしもそう思うんだけどね。
「銀さんも糖尿になりますよ」
「はっ、俺は平気だもんね〜。だって糖が大好きだから。糖と新八と銀さんは相思相愛だから」
絵空事をいっている隣で新八君が
「お互い苦労が絶えませんね。」
「だね。健康管理がんばりましょう」
そして、一緒に買い物をして別れた。でも、まだまだ何がめでたいのかさっぱりわからない。
いろいろ考えているうちに屯所に戻ってしまった。入り口で土方さんが待っててくれていた。
「おかえり」「・・・戻りました。」ふくれっつらになってしまった。
「?どーした。俺が玄関で迎えるのは嫌か?」
「ちちち、違います。沖田さんが私のことなにやら触れ回ってるみたいで。」ちょっとむくれた。
土方さんは額に手を当てると「また総悟のやつ・・・、しかしお前気付かないのか?」
「???何をですか?はっ背中に張り紙とか?」慌てる私に笑う土方さん
「ちげーよ」「あっ、ツキヨミさんお帰りなさい。副長完了しました。」と山崎さんがやってきた。
「おう、ごくろうだったな。ツキヨミ行くぞ」
「何?何ができたの山崎さん、土方さん」
そんな私の問いかけをよそに二人は早く早くと私をせかした。そして、広間に着くと
『パンパーン』
「ツキヨミちゃん」
「誕生日おめでとーー!!!」
言われてようやく気がついた、そうか今日は私の生まれた日。
「あーーー!!!そうかって、えーーーー!!」
「違うか。今日だろう。」お前言ってたろ、と冷静に呟く。
「そうなんですけど、どうして誰もいってくれなかったんですか」
「気付かないほうが悪いだろう、そもそも今の今まで忘れてる意味がわかんねぇよ」
「そうですけど!!確かにそれは私が悪いですが、おしえてくれてもいいじゃないですか」
「しらをきりとおしてるのかとしか思えなかったしな」
「はいはい、ツキヨミちゃんまぁまぁいいじゃないの。俺たちにも祝わせてよ」
隊士の皆さんそっちのけで、土方さんと話してしまいました。
「ごめんなさい。ありがとうございます!!」
というと、屯所はのめや歌えの大騒ぎ&おめでとうの嵐でした。
                                         TO BE CONTINUED(クリスマスまで・・・へ)


という事で、言い訳ターイム
本当にこれが原因だったんです。元は私が誕生日に言われたこと。
おめでとうしか言われなかったので、何がおめでとうだかさっぱりわからなかったと。
それが面白くて、話にしたくて、それでツキヨミちゃんを使いました。
これが原因で、クリスマス話ができてしまって、これが連載という事になります。
ツキヨミちゃんいい子だからいいのだけどね。
真選組って、総力を挙げてこういうこと祝ってくれそうだし。楽しそうだし。
真選組のイメージでちょっと書いたところもあります。
                                     11/11
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