クリスマスは二人にも(神楽編)


寝たアルな・・・。
沖田の部屋の電気が消えてるのを見て、気配を殺して、部屋の中に入る。
この間ツキヨミから
「あたしたちが、二人のサンタになろう。寝静まったら枕元にプレゼントおいておこう。」
と、この楽しい計画を聞かされて、今日が実行日。
そっと枕元にプレゼントを置くと沖田を見た。
規則正しい寝息を立てている。色素の薄い髪の毛に触れるとさらさらして気持ちよかった。
うっとりとその髪の毛を撫でながら、神楽はひとりでにしゃべりだした。
「・・・助けてくれてありがと」
ピンチの時のあいつの影。「嬉しかった」
相手は眠っている、この声は届かない。でもそれでよかった。いつも喧嘩する、そんな仲でいい。
気付かれないように、気付かないように、この気持ちは隠しておこう。
気付かれたら、気付いたら、いつものように隣にはいられない。喧嘩はできない。
「ありがと、そ、総悟。喧嘩ばかりだけど、本当は・・・」
好きよ、言おうとしても、目の前の人が寝てるとわかっているのに声がでなかった。
髪を撫でる腕を止め、出て行こうとすると、その腕をつかまれた。
「!!」
「こんな時間に男の部屋に夜這いですかィ」
「寝てたんじゃなかったアルか」
「仮にも次期副長ですからねィ。特にあんたの気配には敏感でしてねぇ」
神楽は釈然としない、気配は消したはずなのに・・・。
その顔を見て、ふふっと笑うと、鼻を指して
「あんたの香りでさァ」
「??」
「ふすまが開いたときに良い香りがしたんでねィ。あんたが来たんだとわかったんでさァ」
時に、と総悟が話を続けた
「この包みは開け店ですかいねェ」
「も、もちろん・・・でも」
「でも?」
「笑うなよ」と真っ赤になって俯いた。
沖田はかわいいなぁと思いながら、包みを開けるとちょっと不器用なそれでも一生懸命編んであるマフラー。
「手作りですかィ」聞いても答えはないが真っ赤になってる顔が物語っていた。
「嬉しいですぜ、神楽」「マジでカ!!」ぱっと笑顔になる神楽が愛しかった。
「俺からもプレゼントがあるんでさ」
と、神楽へ箱を渡した。中には、「ペンダント!!」小さなリングのついた首飾り。
「11月生まれの誕生石つきでさァ。誕生石のものを身につけると幸せになりまさァ」
「ありがとう!!嬉しいアル」
「さて」というと、神楽に「本当はの続きが聞きたいんですがねィ」
神楽は少し考えると意味がわかって真っ赤になる。
「バカサド!!」と、怒ると、沖田はへらりと笑って
「言わないとわからないことがあるだろィ。早く言わないと・・・」
といってると神楽は沖田の耳元に口を近付けて
「大好きアル!!!」と大声で言い放った。
「わかったか、バカサド」というと、今度は神楽が勝ち誇ったような顔をして、
「答えはどうアルか。言ってくれないとわから・・・」
沖田は真っ赤な顔して、神楽を抱きしめた。
「ちょっとは手加減しやがれ、鼓膜破れるかと思ったろィ」
「ご、ごめんアル」
「俺だって、会えるかもわからないのにプレゼント用意してるくらいに好きだっての」
「そ、総悟・・・」
「ちょっと黙ってろィ」
しばらく、お互いを確かめ合うように抱きしめあっていた。

「今日は一緒にねろィ。どうせ、ツキヨミも戻んないだろ」
「・・・そうアルね。」
躊躇なく沖田の布団に飛び込む
「腕枕してやりまさァ」
「ありがとアル」幸せそうに微笑むと腕の中に納まった。
「おやすみ」
暗闇の中に、総悟の声が響いた。
神楽は久しぶりの心地よい暖かさに安心を覚えて幸せな眠りについた。
沖田はというと、自分の腕の中で眠る神楽を見て、
「・・・今日はがまんしますかねィ」というと額に口付けて愛しい人を抱きしめて眠りについた。


最近、書くだけ書いてUPをすっかり忘れてる。やばいよ自分。
という事で、クリスマスのその後です。
やっぱり沖田さんには神楽ちゃんです。喧嘩するほど何とやら・・・。
そして、どうしようもなく幸せそうな話書いてしまいました。
やればできるなぁじぶん。                            12/23

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